りずろぐ。

ぬるくやわらかく

「エロマンガなんて適当に書いて終わりでしょ?」と言われたのが許せなかった話

 

※今日はこれからどエロい話をするので、18歳未満及びデリケートな乙女心をお持ちの方々はすみやかに退避をお願いします><

 

 

かつて、私がエロマンガ先生だった頃の話。

エロマンガ先生 妹と開かずの間 (電撃文庫)

 

といっても絵を描くわけではなく(私が描いたら何でもモンスターになる)、ストーリーを作るのが主なお仕事で、あとは擬音や演出(効果線とかそういうの)を付けたりしていました。

よくスマホの広告でフルカラーのどエロい漫画が出てくるじゃない?だいたいあんな感じだと思っていただければわかりやすいかも。

 

数年前までそれで細々と生計を立てていたんだけど、まあやっぱり仕事内容が仕事内容だから、人には言えなくて。

周りには「データ入力のお仕事をしているよ」って言ってた。まあデータを入力しているのは確かだから嘘ではない……はず><

 

そんな中で、一度だけ人に仕事内容を明かしたことがあった。

ネットで知り合った2つ年下の男の子。とある職人さんを目指してるらしかった。

知り合ったといっても、実際に会ったことはないんだけどね。いろいろと趣味が合ったから、時々スカイプとかで話しながら一緒にゲームをする程度の間柄で。

 

夜に一緒にゲームしてて、「じゃあ私そろそろお仕事しなきゃいけないから」と切り上げると、「今から仕事って何?水商売?」と聞かれ。

「パソコン関係の……データ入力的な……」と濁しても、「データ入力って何?何を入力するの?」と食い下がられ(いま思うと、データ入力って答えてもそれ以上に突っ込まずにいてくれたリア友には感謝しかない><)

 

ちょっと困ったけど、まあ話してもいいかな、って思って。

言うたらあれだけど、ネット上だけの友達だし。女の子よりは男の子の方が引かないかなーと思ったし。ジャンルは違えど、彼も普段から作品を作ることをしている人だし。何よりそれなりに交流が深かったから、私の中で話してもいいかなと思えるだけの信頼があったから。

 

いざ話しても、やっぱり彼は引かずにいてくれて、逆にちょっと面白がってる節もあった。「そんな仕事があるなんて知らなかったよー」とか言って。

 

それからしばらくは特にお仕事について話すことはなかったんだけど、あるときスカイプでゲームのお誘いをいただいたときのこと。

その日は締切の前日だったから「ごめん、今夜はちょっと無理……明日が締切だから今夜は寝られないかもなの><」的な感じでお断りしたんだけど、そのときに言われた言葉が。

 

「え?エロマンガなんて適当にちゃちゃっと書いて終わりでしょ?」と。

 

 

もうね、思わず殺意の波動に目覚めそうになったよね。

 

貴様に何がわかるかと。

こっちはどれだけの思いでエロマンガのシナリオを書いてると思ってるんだと。

 

初仕事でいきなり熟女の母乳モノというニッチジャンルを託された私の気持ちが、あなたにわかる?

 

「痴漢モノではない設定で、痴漢シーンを活かしたシナリオを書いてください」って言われて「お前は何を言っているんだ?」状態になった私の気持ちが、あなたにわかる?

 

お仕事である以上、あまり趣味ではないジャンルのシナリオだって書かなきゃいけないのよ。

陵辱系とか書いてて本当にしんどかったんだから……書けば書くほど気分が落ちてきて筆が乗らないったらなかった……

 

それにああいうタイプの漫画って基本的に連載形式だから(長さはピンキリだけど)、ひとつの設定をベースに複数のプレイを盛り込んでいかなきゃいけないの。

ストーリーに違和感や矛盾がないように注意しながら、なおかつプレイはバラエティに富むように。キャラの魅力を引き立たせて、主人公は読者が共感を得やすいように。出だしの数コマで読者を引き込んで、最後は思わず続きを読みたくなるような引きを……って、どんだけ「そんなに無理!!」って思ったことか><

 

ストーリーに重きを置けば「エロが薄い」と言われ、プレイに重きを置けば「起伏が足りない」と言われ。

何時間もかけてやっとこ書き上げたシナリオを、1から書き直してと言われたときの絶望感たるや……(´・_・`)

 

そもそも成人向け漫画というものに造形が深いわけでもないのに勢いで飛び込んでしまった世界。

エロにおけるシズル感とは何かと頭を悩ませた日々。熟読したフランス文化用語辞典。タイトル案やあらすじ案のために研究していたらカオスなことになってしまったDMMの閲覧履歴。こんなことなら今までエロゲのエロシーンをスキップしてくるんじゃなかったという謎の後悔……それなりに苦労してるのよこっちは><

 

それにこの分野に限らず、何かを作る・生み出すという作業は苦悩の連続じゃない。

書いてる途中の「本当にこれでいいのかな」っていう気持ち。とりあえず書ききることの大変さ。

完成したものを担当さんに上げるときの緊張感は、結局最後まで慣れなかったっけ。

 

それでも、担当さんからOKが出たときの安堵感とか、売上が伸びてるのを見たときの手応えとか、レビュー欄に✩5をつけてもらったときの感動とか……そういう喜びはプライスレスだった!

 

たかだかひとつのエロマンガかもしれないけど、それでもその中にはたくさんの苦労とちょっとの喜びが詰まってる。

書き終わる頃には、登場キャラみんなに対する愛着も湧いてる。

だからそれを「適当に」書いてるって言われたことが、私にとっては許せなかった。

 

そりゃ内容がアレだから、偏見を持たれたりするのは仕方ないと思ってるよ。

でも、だからって断じて「適当」に書いてるわけではない。めちゃくちゃ真剣に書いてる。

 

当たり前じゃないですか。

何かを作る人間が、少しでもいいものを作りたいって思わないわけがないでしょう?

 

それを友達に、ましてやものを作る仕事を目指してる人に理解してもらえなかったのは、とても残念だった。

 

これは完全に私の予想だけど、もしかしたら男性の方がそのあたりについてはドライなのかなって。

いかがわしいものを「実用性」って目で見てるから、用さえ済めればあとはなんでもいい、みたいな……

女性の方が「エロ絵師さまありがとうございますああ神よ本当に尊い……」みたいなこと言ってるイメージある(イメージが偏ってる)

 

でも、漫画にせよ小説にせよ映像にせよ、適当に作ってる人なんていないと思うよ、きっと。

それぞれいろんな思いとか苦労とか情熱とか、なにかしら持ってるよ。

かの有名なクジラックス先生だって、自分の作品に実用性があるかどうか、1ページ1ページ試みてるって話ですし。

 

その後、その友達とはこの件とは関係なくだんだん疎遠になってしまったし、私もこのお仕事は辞めちゃったから(担当さんが代わってからあまり上手くいかなくなった)、もう全部済んだ話なんだけどね。

 

 

最後に……ここで弁解するのもなんだけど、エロマンガ先生見てません。

冒頭から「私がエロマンガ先生だった頃」とか言ってるけど、「お前如きがエロマンガ先生を名乗るなよ○すぞ」とか言われたら何も言い返す言葉がありません。

っていうかさっきググったけど、これほぼ俺妹じゃないの?……とか言ったらファンの方に怒られますか?