りずろぐ。

ぬるくやわらかく

りずろぐ。

【感想文】映画「ジョーカー」はあれでハッピーエンドなんじゃないかなって(ネタバレあり)

 

若干話題に乗り遅れている感がありますが、「ジョーカー」見てきました。

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いろんな人の感想で鬱だとか病むだとか聞いていたから心して見に行ったけど、私は全然鬱だとは思わなかった。

それより何より、本当に心の底からよかったねぇ!!って思っちゃった\(^o^)/  彼がやっとそのままの自分で生きていけるポジションを見つけられたんだもの。モラル? 社会通念? 知らねえな!\(^o^)/

 

主人公がとにかく生まれて此方ひとつもいいことがないレベルの不遇な人生を生きてるから、そこから吹っ切れてジョーカーになるまでの過程がカタルシスはんぱねーのです。中盤の地下鉄で発砲したところでもうゾックゾクですよ。ようやった! それでこそ漢や! ってなもんですよ。

ラストでパトカーの上に立ち上がって口の中の血でピエロの口紅を引くところなんて見てるこっちもンヒィィィィィィ状態。 最高だぜ!( ゚∀゚)

 

それまでの主人公がほんっと可哀想でね。

冒頭で持ってた看板パクられた挙句にボコボコに殴られて、なのに上司からは「看板はよ返せや給料から差っ引くぞ」って怒られてるところで既にやめたげてよぉ状態だった。私だったらそこでジョーカーになってる。

まあでも主人公はそういう出来事もジョーカーになることで昇華されるからいいんだけど、一番可哀想なのは地下鉄で本読んでただけなのにポテトぶん投げられた女の人ですよね。あれは許せねえ……! 私だったらそこでジョーカーになってる。

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※イメージ図。

 

……という点はともかく、個人的に一番痛々しくて見てられなかったのは主人公のお母さん。弱者の弱者たる部分が遺憾無く発揮されてて……( ;∀;)

そんなお母さんも実はアレがアレでって話が明かされるけど、それもまた負の連鎖って逃れようがないよなって事実を突きつけられるようでつらい気持ちになりますね。

主人公に関してもいろいろと不憫な目に遭ってばかりなのももちろんなんだけど、それ以上に「普通にしていろ」と要求されることの抑圧や惨めさに共感してしまったところがある。生きづらさ~(^o^)

 

あとは、拡大した格差社会や縮小される福祉の様子なんかも見てて他人事じゃないなーと思った。

今の世の中も割と近い状況になりつつある気がするしね。いうたらこの物語だって一人の男性がいわゆる「無敵の人」になるまでの話だし。

いろんな人の感想を見てたら「自分もジョーカーになりうる」的なことを書いてる人が散見されたけど、私はそれと同じくらい自分がジョーカーを生む要因のひとつになる危険性の方にも気を配るべきだと思うけどね。ほんと、自己責任って言葉とか安易に使わない方がいいよ。自分に返ってくるからねそれ。

 

まああんまり難しいことはわからないので作品の感想に戻りますけど。

「この人生は悲劇じゃなくて喜劇だ」というような言葉がこの作品の象徴だと思うんだけど、ラストがコミカルな追いかけっこで終わったのがすごくしっくりきてて綺麗な終わり方だと思った( * ॑˘ ॑* )⁾⁾

それに演出や構成、BGM、役者さんの演技なんかがどれも素敵だったから、そういう意味でももう一回くらい見たいなーって思う。映像作品としてとても良いものを見た。最後の燃える街ちょー綺麗。

 

いうたら殺人鬼の話だし重いテーマが満載ではあるんだけど、基本的には社会に対するいじめられっ子の復讐劇みたいなものだから、私はスカッとした気持ちで見終わった。

どんな形であれ、ありのままの自分で生きていけるようになったんだから主人公は報われたと言えるんじゃないかな。そういう意味で私はこの作品はハッピーエンドだと思う。Let it go\(^o^)/ まあフィクションだからそう言ってられるんだけど。

 

……っていうか、なんで私がこの映画を見ててそこまで悲観的にならなかったかっていうと、主人公が痩せすぎの割にそこそこフィジカルが強いからなんですよね。めっちゃダンス上手いし、結構な速さで走れるし、なんなら終盤なんて車に轢かれてもなお走ってたし。あっこれは大丈夫だなって思った。アーサーはダンスやってるからな!(ノ∀`)