りずろぐ。

ぬるくやわらかく

りずろぐ。

【読書感想文】今さら夏目漱石の「こころ」を読んだ

 

夏目漱石の「こころ」といえば、かつて国語の教科書で読んだ方も多いかと思います。

かくいう私もそうなんだけど、お恥ずかしながら教科書に載っている部分しか読んだことがなくて。

はじめて上中下のフルで読みました。結構長かった\(^o^)/

 

なんかね、思ってたのと違ってた!

教科書で抜粋されている部分からすると、先生とKとお嬢さんの三角関係の物語のように思えてしまうけど、本編はあくまで主人公の「私」と先生の交流なのね。

「私」、先生のことめっちゃ好きすぎで笑うww

 

んでもって「向上心のないものは馬鹿だ」のパワーワードが出てくるあの教科書の辺りは、もうだいぶクライマックスシーンのようで。

 

……いや、ダメでしょ、そこだけ読ませるの。初手でネタバレみたいなものだよ!(`・ω・´)

全体の構成でいったら上と中で先生のどこか影のある部分に迫っていって、下でやっと核心を突くようにできているのに、いきなりオチだけ読ませるっていうのはちょっと文部科学省との解釈違いですわ。

中盤からのミステリーのような加速がこの作品の面白いところなのに……!><

 

教科書の部分だけ読んで「作者が伝えたかったことは何か」と聞かれたらそりゃ「人間のエゴイズムが~」とか「明治の時代背景が~」とかなんとかいうでしょうけど、全体を通して作者が伝えたかったことはただひとつ。

遺産相続は生前のうちにやっておけ。これに尽きますわ。

先生が極度の人間不信になったそもそものきっかけだものww

 

先生、いろいろと良いこと仰ってましたよ。

「平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」

「金さ君。金を見ると、どんな君子でもすぐ悪人になるのさ」

含蓄のある言葉ですねぇ( ˘ω˘ )

未来ある若者には、痴情のもつれ(語弊)よりもこういうことを教えた方が学びが深いのではないでしょうか。

 

まあ諸々すっ飛ばしてラストの話ですけど。

今とは時代が違うという点はよく念頭に置いて考えなきゃいけないけど……それでもダメでしょ先生><

お母さんが亡くなったとき、もう頼るものはあなたしかいないと泣いていた奥さんの気持ちを考えなさいな……ヾ(・ω・`)

 

そもそもですよ先生。

働きもせず、人とも関わらず、家にこもって本を読んでは考え事ばかりしているような生活をしていたらそりゃ病むって!ww

先生に足りなかったのはきっと睡眠・運動・野菜・瞑想の精神ですね(ノ∀`)

 

と、なんやかんや言っておりますけれども。

この作品がこれほど長く名作として受け継がれている理由は、どこまでも美しく精緻な心理描写にあるんじゃないかなと思いました。

物語として次に何が起きるかより、何かが起きてから「こんな場面の心境をどう描くの!?」という方に興味がそそられる珍しい読書体験でした。

 

確かにねー。人に深く傷つけられた経験があると人間全体を憎んでしまうのも、自分で自分が許せなくてしにたい気持ちになってしまうのも、わかってしまうのよなぁ(´・ω・`)

きっと生きていくには考えすぎないことが大事なんでしょうね。あとお金で揉めないことねww

 

www.aozora.gr.jp