りずろぐ。

ぬるくやわらかく

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【読書感想文】「女のいない男たち」と、克服できない村上春樹アレルギー

 

ぶっちゃけ苦手なんですよ、村上春樹さんの本(´・ω・`)

 

いうて学生の頃に一度「海辺のカフカ」の上下巻を読んだだけなんだけど、あれがどーにもこーにもダメで。

ふわふわした世界観といい、やけにくどい言い回しといい、妙なオサレ感の演出といい、なんかもう読んでてぞわぞわするのよね……:(´◦ω◦`):

別におぞましい内容でもないのに、小説を読んでてここまで嫌悪感を抱くことってあるんだ……という経験をしたのは後にも先にもこのときだけ。

ついでにいうと「ハルキスト」と呼ばれる人たちの選民意識みたいなものもちょっと苦手です。

 

それから一度も彼の本を手に取ることなく過ごしてきたんだけど、ほら、時折無謀なことをしてみたくなることってあるじゃないですかヾ(・ω・`)

読みました。「女のいない男たち」を。

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女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

 

短編集ですね。「女のいない男たち」というタイトルだけど、女性に去られた男性、という方が近いかもしれない。というかもはや「寝取られた男たち」というタイトルの方が正しいまである。それでもって大体が情事の話

 

なぜ数ある春樹作品の中でこれを選んだかというと、近所の図書館には文庫だとこれと「ノルウェイの森」の下巻しかなかったからです\(^o^)/

 

率直な感想は、思ったよりは読みやすかった、ってところ。

まえがきを読み始めたときは開幕からの圧倒的村上春樹節で手に取ったことを即座に後悔したし、一本目の「ドライブ・マイ・カー」のヒロイン的女性がボーイッシュなブス巨乳(失礼)だったときは「あー^^」って感じだったけど、いざ読み進めていくとわりとするする読めた気がする。

まあ最後に表題作「女のいない男たち」を読んで、私は今後10年はこの人の小説は読まないだろうと確信したんですけどね\(^o^)/

 

まあ、なんというか、私にはまだ早かった。全体的に何を言ってるのかわからない部分が多かった。

作中の登場人物たちが、そのあまりに繊細な心情を「まるで~~のように」「~~と同じように」と語ってくれるんだけど、それが見事なまでにピンと来ない。全く思い描けない。

本当は目を閉じてじっくり想像しながらその感覚を確かめればいいのかもしれないけど、そしたら私は何回「あるいは」を繰り返せばいいんだって話だし、ほら、図書館の返却期限もあるし、ねぇ……( ˘ω˘ )

「わかるかい?」って聞かれて「わかる気がします」なんて答えようものなら「お前にわかるわけがないだろう」とか書かれちゃうし、ねぇ……( ˘ω˘ )(そんな感じのやりとりが作中で二回くらいあったの\(^o^)/)

 

あとは作中の彼らがしばしば「女性ってこういうところがあるよね」っていう会話をしてているけど、それも「そうなんですか?」って感じ。女性には嘘をつくための独立器官が具わっているって本当ですか?

 

収録されている6本の短編の中ではこれが一番好きかなーと思ったのが、5本目の「木野」かな。

奥さんを寝取られた男性がバーを開く話なんだけど、手狭なバーの店内とか、雨の描写とか、ワケありっぽい男女とか、そんな薄暗い空気感が漂う中で彼特有のファンタジー世界に入っていく感じが良いと思った。意味だとかメタファーだとかそういうのはさっぱりわからんけど\(^o^)/

 

登場人物という点では「イエスタデイ」の木樽が良かった。というかあとは誰ひとり共感できない

大体最愛の人が寝取られたと知ってもストレートに怒ったりせず、僕は傷つくべきときに傷つかなかったから……だのなんだの言われても「はあそうですか」としか言えないし、ショックすぎて拒食症起こして衰弱死していく50代男性には「ずいぶんデリケートなこって^^;」としか思えないよ\(^o^)/だったらまだ阪神が好きすぎて完璧な関西弁を習得しちゃった田園調布の青年の方が理解が及ぶよ!まあ彼は寝取らせる側なんですけど\(^o^)/

 

単に感覚が合わないだけなのか、あるいは私に経験や教養やセンスが足りないからなのかはわからないけど、やっぱり私には村上春樹さんの感性はちょっと理解しがたいな……っていうのが正直なところ。

思ったよりは読みやすかったと言ったけど、相変わらずのファンタジックさとキザったらしさと過剰な比喩表現で目が滑って読む程に消耗したのは確か。あとやたら情事の話ばかりだから電車の中で読むにはしんどいものがあった(´・ω・`)

 

っていうかもうぶっちゃけいうと、なんでもかんでも自己完結してうだうだ言ってる太宰的ナルシシズムって見てて本当にイライラするよなーーーって感じ\(^o^)/

あとなんでこの人たちはどいつもこいつも軽率にセッry\(^o^)/

 

まあなんやかんや言ってるけど、文章の美しさという点においては格別だと思ったし、この世界観は彼にしか書けないものだろうなーとも思った。

読んでてここまで「うわあああああ」ってなるってことは、それだけ個性とかクセが強いってことでしょ。ダメな人はとことんダメな分、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さるわけで、現に国内外にものすごくたくさんのファンがいる作家さんなわけで。

 

こうしてブログを書いていてもなるべく無難な線で落ち着けたくなってしまう私としては憧れる部分はある。強烈さって眩しい(´・ω・`)

だから村上春樹さんに対しては心からのリスペクトを込めた上で、これからも「苦手だわ~」と言っていこうと思います。やれやれ┐(´ー`)┌