実をいうと、少女漫画ってちょっと苦手です。
私なんぞはデリケートな乙女心の機微を解さない無粋な女ですから、イケメンとイケメンの間で揺れ動くヒロインの恋心に対してもつい「で?」と思ってしまうんですね(´・ω・`)
そして何より、こういう女子向けコンテンツにおいてテッパン人気を誇る俺様・ツンデレ・ドS属性が地雷なのでつらいです。
上から目線で命令してくる奴なんなの? いきなり「お前」って呼んでくる奴なんなの? 普通にキレそうなんですけど( ´_ゝ`)(短気)
さて、そんな私がものすごーーーく久しぶりに少女漫画を読みました。
高屋奈月さんの「フルーツバスケット」という作品なんですけど。
とても面白かったです。素直に感動しました。
さすが世界で最も売れている女子漫画なだけある……!
なにがいいって、主人公の透ちゃんが底抜けにいい子なんですよ(´;ω;`) いつも健気で、優しくて、頑張り屋さんで……(´;ω;`)
みんなに優しくてつい自分のことは後回しにしちゃうような透ちゃんが、やがてひとりの男の子を好きになって、自分の気持ちに向き合ったり、周りに意思を伝えるようになったりと少しずつ変わっていく過程が丁寧で共感しやすかったです。
この作品の素敵なところとして、登場人物たちの心理描写がとても繊細なんですよね。
透ちゃんが関わっていくのは十二支の呪いに憑かれた一族の皆さんで、彼らは異性に触れられるとそれぞれ動物の姿に変身してしまう……というベース自体はかなりファンタジックながらも、その裏ではドロドロした一族の諍いがあったり、虐待やいじめや人の死といったなかなかヘビーなテーマもあったり。
登場人物たちはみんな多かれ少なかれ心の傷を抱えているんだけど、透ちゃんの優しさやひたむきさに触れることで少しずつ前を向けるようになっていく……というのがこの作品のぐっとくるポイントですね。
全体的にあんまり恋愛恋愛してないところも個人的には読みやすくて良かったです。
もちろん透ちゃんのことが好きな男の子たちも出てくるけど、高校生くらいの少年たちがあーでもないこーでもないとわちゃわちゃしている様なんてかわいらしいものですからね(ノ∀`)
由希くんに関しては途中から「本当にそれでいいの!?これ全国の由希くんファンは怒らないの!?」なんて思ってしまったけど、最後に「君がいてくれてよかった」って言われるところでボロボロ泣いてしまったので私の負けです。由希くんは攻略対象(?)ではなくてもうひとりの主人公だったんだね( ;∀;)
まあ私の推しは断然紅葉くんですけど。
TVアニメ「フルーツバスケット」公式 (@fruba_PR) | Twitter
最初はショタっ子だけど途中からおっきくなります。
どうしても後輩とか弟にときめきを感じてしまうのはもう性癖ってことで許してほしい。報われないと尚良いですね。
……という個人的な趣味を抜きにしても、紅葉くんは最初から最後までずっと優しくていい子でした(´;ω;`)
どんなときも透ちゃんの味方でいてくれたし、紅葉くん自身も相当可哀想な境遇なのに誰も責めずにいつもニコニコしてるし、でもいざというときには自分の意見も堂々と言えるし(´;ω;`)
自分だって透ちゃんのこと好きだったのに、透ちゃんを想って何も言わずに身を引くような子なんですよ彼は!(´;ω;`)
記憶を失った実の母親から「紅葉くんも家族とお出かけするの?」って聞かれても、つらい気持ちをぐっと堪えて微笑むような子なんですよ彼は!(´;ω;`)
どう考えても幸せになってほしいし、紅葉くんが幸せになれない世界だったらそんなの世界の方が間違ってるんだから……!(´;ω;`)
ぁ、あと綾女さんも好きです。
こういう絡みづらい天才みたいなキャラはだいたい好きですね。なんか見てると元気もらえる。
いつもぶっ飛んでる人がたまに真人間になるとギャップ加点が入るからずるいですよね。
結局半年がかりで少しずつ読んだんですけど、読み終わってからもずっと心に残るような、優しくてあたたかで素敵な作品でした。読んでよかった!
いまアニメのリメイク版もやってるのかな……?今度観てみましょうかね(。・ω・。)