りずろぐ。

ぬるくやわらかく

【読書感想文】パワーワードだらけで困る「教養としてのヤクザ」

 

教養としてのヤクザ」を読みました。

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 教養としてのヤクザ /小学館/溝口敦

帯がうまいこと言ってるww

まあ今や"反社"の定義は困難らしいですけどね( ´_ゝ`)

 

なんとこの本、続編まで出たヒット作「暴力団」の著者でありヤクザライターのパイオニア的存在である溝口敦さんと、私の大好きな「潜入ルポ ヤクザの修羅場」をはじめ「ヤクザと原発」や「サカナとヤクザ」などを書かれた鈴木智彦さんの対談本なんです!! これはすごいことですよ! 絶対に面白くないわけがないでしょこんなの!!(*゚∀゚*)

 

……いけない、つい熱くなってしまった。

 

「教養としてのヤクザ」というタイトル。果たしてヤクザの教養は人生に必要なのだろうか、というところですけれども。

役に立つかどうかはさておき、知っておくとちょこっとだけ世の中の見方が変わるんじゃないかなー、と私は思う。

 

というかそんなことより普通に面白いから読んでくれ(`・ω・´)

第一章からもう強すぎる。「フロント企業のタピオカ屋」「賭けツムツム」「シノギのLINEスタンプ」「農協はヤクザ」などといったパワーワードの応酬。(ちなみにLINEスタンプはググったら本当に出てきた。これはひどい(´・ω・`))

それから、ヤクザをやるよりも精肉業をやる方が儲かるといった有益情報(?)もあるよ!

 

あとは帯にもある通り、何かと話題になりがちな芸能人やらスポーツ選手やら政治家やらとヤクザの繋がりなんかも書いてある。

こういうところから繋がってるんだと知ってしまえば納得というか、そりゃそうだよなーというか。

警察とヤクザの繋がりも同じで、いうたらただの進路の分岐みたいなもんなんだなーなんて思ったりして。

 

私がなるほどと思ったのは、しばしば「暴力団の資金源」なんて言い回しが使われるけど、そもそもヤクザとは個人事業主であって暴力団とは互助会みたいなものだから、厳密には「暴力団の資金源」という言い方はおかしいという話。

あとは今ウナギが減ってるからあまり消費しないようにしようという動きが一部であったりするけど、世の中にはウナギが絶滅寸前じゃないと困る層ってのがいるみたいですよ( ¯−¯   )

 

そして意外と知られてない点としては、今やヤクザは社会的弱者である、ということ。

ヤクザになった途端できなくなることはあまりにも多くて、例えばヤクザであることを隠してゴルフをしたり部屋を借りたりするだけで詐欺でしょっぴかれたりするみたいだからね(´・ω・`)

まあ中にはそれも自業自得とか自己責任とか言う人もいるでしょうけど、ヤクザになる人にはそれ相応のバックボーンがあるものですから。このあたりは社会学者の廣末登さんの著書が詳しい。

 

私はいわゆるヤクザ本が好きでちょこちょこ読んでるんだけど、この「教養としてのヤクザ」はとても平易かつキャッチーに書かれているから、ヤクザのことは何も知らないという人でも気楽に読めるのではないかと思います。対談形式だし文字も大きめで読みやすい。

さくっと読める割に内容は濃いめでとても面白いのでおすすめ!

 

個人的には随所に表れる鈴木さんの溝口さん大好きっ子ぶりに和んだ(ノ∀`)

溝口さんって文章を読んでいても物腰が柔らかい感じがするし、この本でもちょいちょいお茶目ぶりを発揮していて全然ヤクザ関係者っぽさがない。なんとも不思議な魅力のある人だよねぇ( ˘ω˘ )