不肖わたくし、ここまで宇宙や天体といったものには一切手を出さずに生きてきてしまいましたが、この度はじめて宇宙飛行士の本を読みました。
「ドキュメント宇宙飛行士選抜試験」です。
タイトルの通り、宇宙飛行士の日本代表を選抜する試験の様子に密着したドキュメンタリー。
おじさんのその後さん(id:oji3nosonogo)が以前ブログで「息子に読ませたい本、第一位」とご紹介されていたのを見てから気になっていて。
※突然の言及失礼します><
結論からいうと面白かったです。一気に読みきってしまった\(^o^)/
もうね、読んでるこっちまでストレスがすごいww
まず、国際宇宙ステーションの環境を再現した「閉鎖環境施設」っていう狭い密閉空間に、最終選抜に残った10人のメンバーが一緒に入れられるんですね。
そこで7日間共同生活をするんだけど、その様子はマイクとカメラで審査員に24時間監視されているのです。
さすがにお風呂とお手洗いとベッドの中は見えないらしいけど、睡眠の状態(よく眠れているかどうか)は測られている模様。ちなみに10人の中には女性も一人いらっしゃるけど、配慮とかは一切なし。
その中で彼らは与えられる課題をこなすのです。
課題はディベートだったりものづくりだったり……それ自体がものすごく難しいというわけではないけれど、みんなで協力しないとできないものばかり。
そこでの言動や、どういった働きをしたかというのが全部チェックされ、評価されるわけです。
さらに、彼らは事前にこのスケジュールを知らされず、都度「では今から何時何分までこれをやってください」と言われて取り組む形……し、しんどい!( ˙ཫ˙ )
なんでわざわざストレスをかけるようなことすんねん!!ブラック起業か!!と思わずツッコミたくなるところだけれど、これはわざとであり、こうしないと各人の資質を測ることができないのだそう。
というのも、そもそも宇宙環境自体ががストレスフルな環境だから、それに耐えられる人じゃないといけないわけで……宇宙ステーションってめっちゃうるさくて臭いらしいよヾ(・ω・`)
何より、宇宙ではイレギュラーが起きても現場の宇宙飛行士たちが自力でなんとかする以外にないし、極限下で余裕がなくなって他のメンバーとの空気が悪くなるのも困るし、冗談抜きで一歩間違えたら自分も仲間も死んでしまう命がけの場所だし……そう考えると、確かにこんな試験が必要なのも納得です。
しかし、なんといっても1000人近い応募者の中から厳しい条件を満たして選ばれた10人。過酷な環境の中でもひたむきに課題に取り組んでおられます。
時にはみんなを引っ張ったり、時には誰かを支えたり、時には笑いを取って場を和ませたり……なんだろう、人間としての格の高さみたいなものを感じますね……( ˘ω˘ )
彼らは元々パイロットやお医者さん、自衛隊員に研究者など錚々たるメンバーではあるんだけど、そういうキャリアやスキルだけでなく、人格が優れてるってこういうことなんだなーって感じ。お写真も載ってるけど、皆さん精悍でいきいきとしたお顔をされておりました。
とはいえ、そんな彼らでもうっかりミスや空回りをしてしまうのが極限状態というものなのだけれども(´・ω・`)
その後はアメリカのNASAでの実技試験や面接が行われるんだけど、一貫して重視されているのはどういう結果だったかではなくて、「何を考え、どう行動したか」なんですよね。
もちろんスキルや適正もすごく重要だけど、最終的には本人の資質、それから覚悟が求められるのだそう。
つまるところは他の人たちから見て、この人と働きたいと思えるかというところ。
私なんぞは絶賛求職中で、先日もお祈りメールが届いてぐぇぇーとなった身ですから、まあ思うところはありました。悲観的な意味で。
「リーダーシップとフォロワーシップとユーモアが大事」ということが書かれているけれど、私ひとつも持ってないよ……この世に私と働きたい人間なんているわけないじゃん……みたいなね。しにたい\(^o^)/
まあそんなネガティブな話はさておき。
最後にはめでたく3人の宇宙飛行士が誕生するわけですが、晴れて宇宙飛行士になってからもそれはそれで大変なようです。
普段は訓練が仕事のようなもので、健康管理はとにかく万全にしておかなきゃいけないし、実際宇宙にはいけないまま終わることだってあるし、宇宙に行ったら行ったで命を落とす確率もそこそこ高いし……家族がいる人は家族のことも巻き込むわけだしね。やっぱ宇宙飛行士ってブラックですわ(失礼)
それでも、人類の希望を背負って、人類の偉業を成そうとしているわけだから、すごいなーって思います。
宇宙に興味がある人も、ない人も、読んでみたらきっと面白いんじゃないかと思います。よかったら読んでみてね(ू•ω•ू❁)