「彼女と彼女の猫」という小説を読みました。
実は発売当初にも読んでたんだけど、Prime Readingに追加されてたので改めて再読(。・ω・。)
まずは原作から
原作はアニメです。YouTubeで見られる。
5分程度の作品なのでぜひぜひ。
こちらはなんと、「君の名は。」や「天気の子」でおなじみの新海誠監督がアニメーターになる前に自主制作で作られたアニメなのです(`・ω・´)
公開されたのは1999年。この頃から既に圧倒的新海ワールドでびっくり!
ざっくりあらすじ
同じ街に住む4人の女性と、それぞれの飼い猫による群像劇。
小説の「彼女と彼女の猫」は、先ほどのアニメを元に永川成基さんという作家さんが執筆されたもの。
人目線と猫目線が交互に描かれるのが面白いところ。猫めっちゃ喋る。(ただし人には通じない)
特に大きな物語があるわけではないけれど、人も猫もそれぞれいろんなものを抱えながら生きてるんだよねっていうことが繊細な筆致で書かれています。
以下感想文
安心と信頼の新海ワールドです。
監督ご自身が原作のアニメに対して「初期衝動と原風景そのもの」と語っている通り*1だし、それは小説として別の方が書かれていてもブレない。
ほんとねぇ……不器用な人間の心理とか、すれ違う人の心の感傷みたいなものを描かせたら彼の右に出る者はいないんじゃないかって感じよねぇ……(´∩ω∩`*)
元々猫を飼っていた身としては、読みながら「いうほど猫に話しかけるか?」ってめっちゃ思ってしまった(ノ∀`)
私は猫に話しかけるときって基本的に「どちたのーおなかすいたのー?」みたいな感じだから、えっふつう猫に悩みごととか打ち明けたりするの?ってやや違和感を感じた。まあそうでもしなきゃ話が進まないからアレなんだけど。
今作には4匹の猫の語り手が出てくるけど、私は最後のお話に出てくるクロが一番好きです。
お利口さんのチョビ、甘え上手なミミ、ミミの娘の子猫のクッキー、そして野良のボスのクロ。
お猫さまはこれくらい俺様だったり女王様だったりするくらいの方がかわいいと思うのよね。散々「俺は誰かの飼い猫になんかならない」って言ってたのに、冬になったらちゃっかり家の中に潜り込んで住み着いてるクロかわいいよクロww
あとは、メスの猫はオスに媚びて生き抜くのが最適解なあたりにちょっとした虚しさのようなものを感じたり。
各々の縄張りも守らなきゃいけないし、猫社会も猫社会でいろいろ大変そうです(´・ω・`)
人の語り手もそれぞれ友達や恋人を失ったり、夢を食い物にされたりしてみんなしんどい思いをしてるけど、私は仕事のしすぎである日突然カップ麺の作り方がわからなくなってしまったサラリーマンの男の子(脇役)に一番胸がきゅっとなってしまった。なんかリアルだ……(´・_・`)
飼い主に対する猫の目線が優しくて、それぞれがそれぞれの飼い主のことを素敵な人だと表してるのが印象的だった。
本当に猫がこんな風に思ってくれてたらいいなーと思う反面、私はきっと飼い猫からはしつこくてだらしなくてしょーもない人間だって思われてただろうなーとも思ったり( ;∀;)
それでも、普段は全然寄ってきてくれないのに、私が部屋で泣いてたときはずっと隣に座ってくれていた昔の飼い猫のことを思い出して、少しだけ泣いてしまった。
猫と暮らしたことがある人には、この作品はきっと琴線に触れるものがあるんじゃないかなって思います。
Amazonのプライム会員の方なら無料だし、一日でさくっと読み終わる程度の分量なので、よかったら読んでみてね(ू•ω•ू❁)
猫はいいぞ( ˘ω˘ )
新海もいいぞ( ˘ω˘ )